当団体のミッション

 2009年に一般社団法人として発足された時点でのミッションは二つありました。

 一つは、大学院重点化により増えすぎた博士課程進学者が幸せに生活できるようにすること。もう一つは、これから博士課程に進学しようとする大学学部生に対する博士課程進学者の困難を極める就職状況の啓蒙です。

 前者は10年経った今でも解決されていませんが、後者は「高学歴ワーキングプア」という言葉や「ポスドク」が学部生らにもよく知られることになり、ほぼ達成されつつあります。優秀な学生がめざさなくなり、10年後20年後の日本の科学技術を取り巻く環境はかなり悪化し、日本からノーベル賞の受賞者が出ることなど夢となることは想像に難くありませんが、博士課程進学が茨の道であることを多くの学部生が理解しているはずです。景気が悪い時に、大学院修士課程に進学する者は未だにいますが、それを博士課程でもやろうとする者は今や稀でしょう。

 私は、人生は一度きり、可能性に賭けチャレンジをする人を大いに尊敬する一方、もし、自分の兄弟や親戚が博士課程に進もうとすることに反対するという矛盾を認めざるを得ません。

 過去には文科省でもポスドクの対策については予算を獲得し、各大学でもそれなりの対策をしましたが、億単位のお金をばら撒いたところで根本的な解決には至っていません。よって、当団体の残されたミッションは、日本の過去の科学技術政策の犠牲者である増えすぎたポスドク及び博士課程進学者の生活を支えるセーフティネットとしてのサポート以外にはありません。それには自殺対策も含まれます。

 さらにコロナ禍でますます生活するのが厳しくなっているかも知れませんが、それは多くの国民にとっても同様で、ある意味今まで国の政策に引っかかりにくかったポスドクの皆さんにも国自体のセーフティネットが適用され、ピンチがチャンスになるかも知れないと多少の希望を持っています。

 幸せが相対的なものであることを皆さんは理解できるはず。よって、不幸も絶対的なものではありません。あらゆる可能性を信じて、その論理的思考を自身の生活再建のためにも使ってみて欲しいです。


 2020年1月

 一般社団法人ポスドクジョブセンター 代表理事 國分裕之

一般社団法人ポスドクジョブセンター

ポスドク就業・起業・バイトのサポート

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